ペリカンの四神シリーズ「青龍」 ― 2017/04/12
これはペリカンのトレド系の特別版の万年筆で「ペリカン「四神」シリーズの青龍」を紹介します。四神とは天の四方の方角を司る霊獣で東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武があります。各888本ずつしか製造されていない希少品です。私は辰年なので青龍を探していました。青龍は1995年に販売されたシリーズ最初のもので、もはや手に入らないと思ってたら偶然ある店で見つけました。ほとんど使われておらず、傷もなく、書き味も自分の好みにぴったりで加工は一切不要なくらいの良さ。本当に僕のためにそこにあったと思えるほどの出会いでした。これは買うしかないと速攻で契約しペン先の出具合を好みに調整してもらいました。それ以降は一切手を入れていません。僕いとっては最高の一品です。
現在の万年筆のペン先は硬めです。理由はボールペンの普及で筆圧が強くなってきているため万年筆も片目が好まれる傾向があるからです。しかし、昔からの万年筆派の人はほとんど筆圧をかけないのでしなりのあるペン先を好みます。この時代のペン先はこのニーズを満たしてくれます。

龍の彫金が施されている。ズシリと重くバランスがいい。見ているだけでの美しい。

ペリカン・トレドはスーベレーンM800と大きさ形は同じですが材料と製造工程がまったく違います。トレドは百を超える工程で一ヶ月以上かけて作られるとそうです。ボディーはスターリングシルバーで芸術性の高い装飾彫金がなされ24Kゴールドが上張りされています。
一本一本が手彫りといわれていますが、それは初代のトレドだけでその後のトレドは機械掘りをベースに仕上装飾だけを手彫りでやっているようです。その違いは一目でわかります。ベースの形は狂いがないのに細部の模様はペン毎にばらつきがあるからです。職人によって違うのでしょう。
初代のトレドは金加工の手作り感が渋く表れていますが、サイズが小さくて軽いので現在のトレドが好きです。
現在のトレドはM900ビッグトレドとM700スモールトレドがあります。女性にはM700がいいかもしれません。
ペリカン・スーベレーンM800茶縞 ― 2017/04/11
ずいぶん空いてしまいました。コレクションが増えたのでまた少しずつ紹介していきます。
これはペリカンのスーベレーンM800シリーズの茶縞の万年筆です。ペリカンの中ではM800が男性にっとって一番合うペンではないかと思います。サイズや形はトレドと同じで胴軸の材料が違っていてトレドよりは軽く感じます。しかし、普段使いには値段の割に出来のいい万年筆だと思います。

キャップと尻軸は黒に見えますが焦げ茶色で胴軸はキラキラと美しく輝く縞模様です。青龍のペン先に比べると少々硬いですが、僕はちょっと工夫して同程度の書き味に調整しました。
ペリカンM1005デモンストレータ ― 2014/07/25
ペリカンのスーベレーンM1000シリーズといえば最高級の万年筆ですが、そのスケルトン仕様の万年筆M1005デモンストレータが数年前に限定品として販売されました。ペン先もクリップも金属部分はすべてシルバー色で統一されスケルトンのボディにマッチしたデザインです。カラフルなインクを入れるとかっこいいらしい。これは限定生産品なので今市場に流通しているもので終わりです。しかし現在ほとんど店頭では見ることができません。これが京都のひなびた老舗万年筆屋(文明商社)さんにおいてありました。
その店には、セーラー万年筆の名工、長原宜義氏がよく来たそうです。その人の引退記念の限定万年筆がおいてありました。変わったデザインで実用性はあまりなくマニアくらいしか買わないでしょう。そんなこんなで店主のおばあちゃんと時間を忘れて長々と話してしまいました。いろんな万年筆の試し書きもさせてもらいました。
最後は結局M1005デモンストレータを。。。。

また時間があったら来てくださいと。。請再見でした。
■後日談
このペンですが、尻軸のシルバー色部分に曇り・陰り・カビのような靄がありました。透明樹脂の中なので拭くこともできず、店に持ち込んで説明しました。エアコンのない店頭に何年も展示されていたので傷んだのではないでしょうか。 修理もできないとのことなので返品しました。残念です。