パイロット万年筆の欠点 ― 2024/08/08
パイロット万年筆は日本語の執筆には向いています。特にカスタムシリーズはよくできていると思います。しかし、私の好みからいうと以下の問題点があります。
それは、キャップを外すとき、必ずインクでペン先が汚れることです。
私はペン先に汚れがなくピカピカに光っている状態で先端からインクが出て文字が書ける状態が好きなのでいつもペン先はきれいにしています。しかし、パイロットの万年筆はキャップを外すとインクがペンについていることが多いのです。いろいろ原因を探った結果キャップを外す時にキャップ内の気圧が下がりペン軸の中のインクが少し吸い出されるようです。尿漏れのような感じです。他社製の万年筆ではこの経験はありません。
ただ、ペン先にインクが付いているのが好きという人もいるのでこれが悪いとは言いませんが私は好きではありません。
PILOTカスタム823・743フォルカン ― 2014/05/23
結局パイロットのカスタム823のフォルカンが気になり購入してしまいました。
カスタム823のFAとWAはあさひや紙文具店でしか買えないので時間をつくって店に行きました。町の文房具屋さんといった雰囲気で、扉を開けて入ってもだれもいない。声をかけると奥さんがでてきたので万年筆を見たいと言ったら試し書き用のペンをいくつか出してくれました。あさひや缶文具店は試し書きようの机と椅子があり落ち着いて書き味を試せるのでとてもいいです。パイロット製品しかありませんが万年筆には詳しく細かく説明してくれました。
WAはペン先が上に沿っていたペンを寝かしても立てても書きやすいという触れ込みだが、僕のペン先の拘りは槍のように紙面に当たるイメージがしっくりくるのでWAは今一好きになれなかったので不採用にしました。
フォルカン(FA)はどうもファルコンの誤訳のようでハヤブサがくちばしを突き出したようなシルエットから来ているのが由来のようです。しかし、僕にはイカにしか見えませんでした。詳しくはあさひや紙文具店のサイトで動画付きで紹介されているのでそちらを見てください。

これが毛筆のような字が書けるものかと期待しましたが、実際に書いてみると以外に固く、筆圧を書けても筆のように線の太さの変化はあまり出ませんでした。微妙に引っかかるのであまり好きに離れませんでしたが、使っているうちに柔らかくなるなどの説明を受けてとにかく試しに買ってみた。
結論から言うと、なじむまで待っていられない性分なので結局ペン先を研ぎ始めて自分好みにしてしまった。スベスベでありながらハネ・ハライなどが微妙に表現でき、かつ普段は細字で書ける。結構満足してしまった。パイロット・カスタム823フォルカンguru-dbスペシャルです。
後日京橋のパイロットのペン博物館に行ってペンの修理を頼んだ時に見せたら、どこで調整したとかいろいろ聞かれました。某所でと濁して回答しましたが、「もうフォルカンのペン先じゃないけど自分の好みのペン先ならそれが一番いいよ。」といわれたのを記憶しています。いろいろ試行錯誤したのでペンポイントを削り過ぎ形状が変わったせいだと思います。(後日、カスタム743フォルカンを買って再調整しましたが余り削らずに済みました。しかし、1本目の方がはるかに使いやすいです。)
加工して気が付いたことは、フォルカンのペン先(細字系に共通ですが)は横や斜め線は引っ掛かりが起きやすいです。よく研がれていても紙面のザラツキの具合によってビリビリと不快感を感じるときがあります。たぶん先端が細すぎてペンポイントが左右に振動するためだと思います。細字系も左右や斜めに対する剛性をもう少し強くすればもっと書きやすい細字になるのではないでしょうか。縦線はペン先の腰が振動をいなしてくれるのでほとんど問題なく滑らかに引けます。ペン先は柔らかさと硬さのだけでなく粘り強い先端の構造が必要な気がします。
なので、僕は硬めのペンの方が使いやすいです。筆圧をほとんどかけないので硬くても疲れないし、時々筆圧かけて字幅の強弱をつけられれば十分です。そんな書き方で大量の文章は書きませんから。
加工方法やペン先の写真は非公開にしておきます。
PILOTカスタム823 ― 2014/05/03
青山ペンブティック書斎館で結局パイロットのカスタム823を購入してしまいました。
チャースルトンは手帳用に使えこれは原稿執筆などに使うつもりです。
■購入までの経緯
パイロットのカスタム823 F、FAフォツカン、WAウェーバリの3つ、特にFAとWAが気になっていたのですが、カスタム823のFAとWAはあさひや紙文具店の特別版で他店では買えません。しかし、店に行く時間もなかったのでペンブティック書斎館に相談しました。そしたら、ペン先はカスタム743と同じなのでそれで試し書きしてはいかがかと言われてよろこんで試させてもらいました。もし、FAとWAのどちらかを気に入ったとしてもこの店ではカスタム823のFAとWを購入することができないのに。(親切)
WAはペン先端が上に反り返っていてスプーンのような形をしています。そのため紙と接する部分がスプーンの外側のような形状になるのでペンを上下左右どの方向に動かしても滑らかに書けるというのが特徴です。確かに書き味はその通りですが形状が反り上がり過ぎでいまいち好きになれませんでした。やはりまっすぐがいい。
FAは、ペン先の形状がハヤブサのくちばしのように鋭く弾力があり、極細から太字まで筆圧に応じて書き分けられ毛筆に似た字体になるというものですが、極細があまりに細く自分の筆圧では極細の線しか出ない感じでした。また、個体差かもしれないが書き初めにインク切れが起こりちょっと日常用途にはつらいかな。
そのあと、カスタム823F(細字)の試筆をしたところ非常に滑らかで素晴らしい。ペン先の形状も好みだったのでFAとWAは一気に候補から外れました。ウォータマンのチャールストンのFと比べるとちょっとM気味で細字~中字の間くらい。チャールストンのボールが転がるような滑りに対してカスタム823Fは氷上を滑るような感覚でした。
お奨めによりカスタム823M(中字)も試筆させてもらいました。中字となると更にまろやかでFがスケートで氷上を滑るのに対してMはスキーで雪上を滑るような感じです。接紙面積が大きい方が紙面の凹凸の影響を受けにくいのでしょう。
ついでに、限定モデルのアウロラ大陸シリーズのアメリカFも試させてもらいました。これは青と赤の幻想的な輝きを放つペン軸が美しく書き味ではなくコレクションにしたい要望にかられる逸品です。書き味はチャールストンに近くペン先はより硬めで弾力はほとんどないようでした。これも欲しい。。。(8万円)
悩んでいたペンの試筆がすべてでき、迷うことなく今回はパイロットのカスタム823Fに決定。色は透明、ブラウンスケルトン、ブラックスケルトンの3タイプ。ペン軸に直接インクが入るのでインクで汚れたてきたときの見栄えを考えて中が見えにくいブラックスケルトンに決めました。

カスタム823を狙っていた大きな理由は、インクの吸入方式が主流のピストン式ではなくプランジャ式(P式)だからです。その特徴は2つ。
1)大量のインクを入れられること。
2)インクの出口の開閉ができるので気圧の変化でインク漏れがない。
詳しくは以下のYoutubeを見ればよくわかります。